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リレーコラム『壁と向き合う』第2弾|あきらめの哲学 ー弱みに抗わず、人を頼るべしー

ハゲコラムニストのとおやまたかしです。

通常はハゲ頭の話をすることが多いのですが、今回は趣向をかえて、こんなテーマについてお話してみたいと思います。

人って、悩むよね。そんなとき、NOHAIRSはどうやって悩みに立ち向かうのだろう。

僕の弱みは、『持久力のないイノシシ』であることです。

もう少し具体的にお伝えします。

僕は小さい頃、何かを好きになると、一気に燃え上がるけれど、長続きしないタイプの子どもでした。

ピアノや水泳などの習い事では、ある程度まで上達すると、途端に興味を失いやめたいと言っては親に怒られました。

この性格は、大人になった今でも変わりません。

好きなものほど夢中になり、そして飽きていく。

本は、夢中になれば読み切るまで集中しますが、途中で読まなくなったら最後。それ以降その本を開くことはありません。

音楽も、好きになるとその曲だけをずっとループで聴き続けます。そして、聴きすぎて嫌になり、ついには聴くことを止めてしまう。

食べ物も同じです。サラダにハマれば、同じサラダをボウル一杯食べます。そして食べすぎて飽きてしまいます。同じ事をフルグラ・プロテイン・サラダチキン・納豆・豆腐でもやっていました。

ちなみに、今はハイボールが好きです。お酒はハイボールしか飲みません。きっとあと数ヶ月もすれば、飽きて別のお酒を飲んでいるでしょう。

そんな僕は、2年前に最も飽きてはいけないものに、飽きてしまった。

何に飽きたのか。それは、仕事です。

僕は、看護師として13年間、病院で働いていました。
当時は、看護師の仕事が楽しくて、休みもセミナーに行き、本屋に行くと看護関連の本を買い漁っていました。
看護が好きすぎて、大学院で看護の研究もしていました。

まさか飽きるだなんて思ってもいなかった。

でも、ある日突然自分の中にある感情が湧き上がりました。

『あれ、なんか仕事つまらない』

そんな感情は、消えることなく心のどこかにありました。

でも、『仕事が面白く感じられないから辞めます』と言えるほど気は強くありません。自分の気持ちを殺して、働きました。

そして、ぼくは少しずつ鬱々と過ごすようになっていきました。

『仕事がつまらない。でも、そんなこと言えない』
『でも…辞められたら、どんなに楽だろう』
『だめだ。家族がいるんだ。このまま定年まで働かなきゃ』

そんなプレッシャーに追い詰められた僕はうつ病になり、やがて結果的に病院を辞めることになります。

僕は、社会不適合者

うつ病の初期段階では、『僕を直してください。僕は社会不適合者です』と、ネガティブ一直線。うつ病になってまで猪突猛進じゃなくていいのに、難儀な性格です。

でも、それでも半年を過ぎると徐々に回復し始め、外を散歩できるようになりました。

久しぶりに見た、空の青さを今でも覚えています。

もうしばらくして体調が安定すると、調子も出てきて『どうせ辞めちゃったんだ。開き直って、新しい人生を送ろう』と思うようになりました。

自分の人生に羅針盤を立てた。

新しい人生を始める上で、僕は自分自身を知ることから始めました。

僕はどういう人間なんだろうか。
そもそも、なんで仕事を辞めたくなったんだっけ?
これから、どんな人生を送りたい?
死ぬまでにやりたいことは、いくつあるだろうか。

こういった内容のテーマについて、マインドマップを書きました。

ーマインドマップー
トニー・ブザンが提唱する、思考の表現方法である。頭の中で考えていることを脳内に近い形に描き出すことで、記憶の整理や発想をしやすくするもの。

wikipedia「マインドマップ」より

自分自身のことを文字にして俯瞰することは、当時生き方に迷っていた僕には効果的な方法でした。

僕はもともと、悩んだり考え事をすると、思考が湧いてきて止まらなくなるタイプです。
なので、文字に起こすという作業によって、思考の速度が抑えられ、その結果考えがまとまりやすくなりました。

そして、これを繰り返し、最後は『自分の人生の送り方』について考えるようになりました。

自分と家族が幸せに暮らすためには、お金がいくら必要なんだろう
その収入を達成できるなら、自分の好きな仕事に挑戦してもOKにしよう
一つの仕事で失敗しても困らないために、パラレルワーカーになろう
実現できなくてもいいから、やりたいことは家族に伝えてみよう

こうして、自分の送りたい人生を具体的にイメージすることで、目の前の課題を組み立てていきました。
これは、今でも変わらない僕の羅針盤になっています。

ただ、あまりやりすぎると、また途中で投げだしちゃうので、適度に向き合うようにしています。

ちなみに、そのときに決めた働き方はこれです。

今見返すとかなり大雑把なので、説明させてください。

僕は、これを書いた当時、『働く』ことを『飯を食べるための仕事=ライスワーク』から『人生を豊かに生きていくための方法=ライフワーク』へと転換しようと考えていました。

そこで、まずは『自分がやること、やらないこと』を定めました。これは、『好き嫌い』ではなく、『作戦』に近い発想です。

もう少し掘り下げましょう。
もし仕事を『好き嫌い』で区別するなら、僕は看護師の仕事が大好きなので、病院に戻りたいと思います。

ですが、病院に戻る場合、上の『やらない』と決めた仕事を断ることは非常に難しい。

これは組織で働く以上、避けては通れません。

だから、僕は最初に組織で働くことを諦め、フリーランスの看護師になる道を探しました。

けれど、看護師としてどうやって企業と請負契約を結べるのか分からなかったので、まずはバイトでも良いから、お金を稼ごうと思いました。ここは、得意な分野でライスワークしようと思ったのです。

でも、それだけだと継続性がないし、病院時代と変わらない。

そこで、もう一つ収入の軸になるような仕事をしようと思いました。
それが今のメインの仕事にもなっている『デザイナー』の仕事です。

デザインの仕事を始めるきっかけになったのは、うつ病の療養中にSNSで上げた作品集でした。

引きこもり時代にSNSに上げていた作品集

当時は、誰かに自分の存在を知ってほしいという気持ちから始めたので、仕事になるとは思ってもいませんでした。

でも、僕の作品を見てくれた人から声がかかり、医療系のイベントに呼ばれたり、名刺作成の依頼をもらったりするうちに、徐々にデザインの仕事が増えていくようになりました。

そして、僕はデザインの仕事をライフワークにしたいと考え始めます。

つまり、最初からライフワークのみで生きていくことはせず、ライス+ライフワークの働き方を選択したのです。

こうして、僕の第二の人生の働き方がなんとなく定まっていきました。

【作戦】持久力のないイノシシなら、短距離走を選べ

そうして自分のやりたい仕事・挑戦したい仕事を見つけるようになってからは、僕の特性である『持久力のなさ』と向き合いました。

僕は、瞬発的な行動力や、短時間のマルチタスクに関しては、自信があります。でも、放っておくとすぐにガス欠になってしまいます。自分の心のエネルギーを調節することが下手なのです。

ならば、どうすればもっと楽しく充実した仕事ができるだろうと思い、僕は一つの選択をしました。

「自分にできないことは、諦めよう。助けてもらおう」

僕は、病院勤務時代、人を頼るということをしませんでした。
何でも自分で解決しようとしていたんです。

でも、それでは仕事が完結しない。
組織に属さず、独立して働くと決めた以上、僕には仕事を最後までやり遂げる責任があります。

不思議なもので、病院時代よりも個人で仕事を請け負う今の方が責任は重いのに、仕事の量はセーブできるようになりました。

熱しやすく冷めやすい、持久力のないイノシシのような存在だった僕は、苦手なマラソンは他の人にお願いして、短距離に集中することで、自分の特性と共生できるようになっていきました。

【結論】僕は、弱みを乗り越えずに、並走することにした

僕らは、自分の弱い所を隠したり、努力してなくそうとしたりします。僕もそうでした。

ただ、いまはこう思います。

『弱みは、自分で解決せずに、他の人に渡してみよう』

僕の弱みは、

一気に仕事が重なると、逃げたくなる。
冷静に指摘されると、逃げたくなる。
同時にタスクが降りかかると、混乱してしまう。
単純作業に飽きてしまう。

今は、これを外部委託したり、スタッフに任せています。

ちなみに、この記事の編集をしてくれる編集さんには
「敬語が怖いから、タメ口で修正してくれると助かる」と伝えました。

そうしたら、すごく優しく対応してくれて、それ以降の共同作業が楽しくて仕方ありません。

僕は多くの人に助けられて生きている

自分の弱みをさらけ出し、助けてもらうようになってから、人に感謝することが増えました。

口癖は『ありがとう』と『ごめんね』です。

まだまだ生きにくいことも多いし、新型コロナの影響でこれから仕事がどうなるかもわかりません。

それでも、僕には助けてくれる仲間がいる。

ハゲている仲間、ハゲていない仲間、男性、女性、トランスジェンダー、ゲイ、子ども、もう此処にはいない人達。

みんなの力を借りて、これからも『持久力のないイノシシ』として生きていこうと思います。

いつか、あなたの力も借りるかもしれません。
そのときは、『ありがとう』と『ごめんね』を言わせてください。

それでは。

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