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『ハゲ100人で踊るプロジェクト』に行ってみた。

ハゲに関しての情報を常に探しているとたまに、「どういうこと?!?!」と奇想天外なものに遭遇する。

今回はまさにそんな奇想天外なイベントの取材をさせていただいた。

『ハゲ100人で踊るプロジェクト』。

そこには一体どんな光景が待っているのだろうか。

左から、小山さん、こまめさん、小林さん

場所は東京ビックサイト。
アジア最大級の国際的アートイベントと言われる、デザインフェスタなる催しが行われている。

イベントステージでは代わる代わる様々なプログラムが敢行されている。
次がいよいよ『ハゲプロ』のステージだ。

圧巻だった。

観客に囲まれたステージで堂々とダンスやお芝居をする彼ら。
中には我らがハゲ会の会長の姿も・・・。(当日取材をするまで出演を知らなかったNOHAIRS編集部の二人)

彼らは何者なのだろうか?

 

ハゲ100人で踊るプロジェクトの発足のきっかけはなんでしょうか?
小山さん
小山さん

発起人はシンデレラ役のこまめさん。

彼女が海外でウィッグを脱ぐフラッシュモブを見つけたらしく、「これやりたい!」とプロジェクトが始まりました。

せっかくやるなら大勢で、と100人を目指すことにしました。

普段はハゲプロとして交流会や飲み会をやったり、有志でTik Tokをやったりしています。

デザフェスに出るというのを目的に練習して今回の出場で2回目になります。

YouTubeチャンネルがあって動画を上げているんですが、前回のハゲプロのステージテーマはアーティスティックな感じ。

今回はコメディタッチで演劇にしました。

―そうインタビューに答えてくれたのは、王子役の小山さんは1回目の出場にして主役を勝ち取ったという。

 

どうやって人を集めているんですか?
小山さん
小山さん

DMで誘ってスカウトもあれば、ヒューマンライブラリーで席が一緒だった人から「髪どうしてます?」って会話がきっかけだったり様々ですね。

50人以上いるのかな。
ちょっとずつ人を巻き込んでいっていますね。

ハゲプロの共通点は、まさに『ハゲ』だとお見受けします。
どういうメッセージを伝えたいのでしょうか?

小山さん
小山さん

ハゲって隠したい、隠さなきゃいけないというマイナスの印象、レッテルがあるように感じます。

僕らはポジティブに、

「ハゲててもいいよね」
「明るく、一つのスタイルとして発信できたらいいよね」

とエンタメチックに舵を切って舞台に立っていますね。

それにしてもすごいクオリティの内容でしたね。
小山さん
小山さん

アテレコの声は元々演劇をやっていた小林さんが入れて、女性の声は舞台女優をやっている声優さんにお願いしました。

全体練習は2回だけで、本番前に通しをしてそこも小林さんが全部指導してくれました。

―小林さん、一体どんな方なんでしょうか・・・?

 

元々どんなご経験があるんですか?

ハゲだけのハゲの歌を歌って踊る『BOZE STYLE』というユニットを組んでいます。
持ち曲もあって、下北沢や路上でライブをしています。

こまめさんがBOZE STYLEを見てくれてて「なんか一緒にやりたいね」って声を掛けてくれたのがきっかけですね。

僕たちだったら何ができるかなって考えて、今回は30分のステージですね。

以前劇団で台本を書く経験があったから脚本もやりました。

僕がハゲ始めたのは25歳くらいで、6~7年前の33歳頃にもう隠せなくなったので全部剃りました。

お客さんが痛々しいと感じちゃうと楽しめなくなっちゃうから、全部大っぴらでかっこいいなと思ってもらえるように心掛けています。

まだカミングアウトできないハゲが、堂々と生きている僕たちに続いてくれてたら嬉しいですね。

そうなるためには何が必要だと思いますか?
小林さん
小林さん

受け入れるしかないと思います。

ハゲを線引きしているんですよね。
配慮した方がいいという判断が働いているんだと思うんですが、本当は様々、グラデーションでいいはず。

スキンヘッドは女性であっても選択をしていい。

ただ、大衆は髪があった方がいいと言う。

大衆の意見はあれど、根本的に自分が卑屈に思っていたら意味がないんですね。

自発的にこっちがどう見せるかが大切だと思います。
逆に、女性の薄毛を見ても受け入れるしかない。

僕は少しでもこういう明るいハゲたちを増やしていくことが鬱屈した人たちへの刺激だと思います。

たいそうなこと考えなくても「楽しそうだな」って思って入ってくれればそれでいいんです。

お客さんの反応はどのようなものがありますか?
小林さん
小林さん

「純粋に楽しめて、いい意味でショッキングでした」とか、「こういう人たちがいるのは知らなかった!」とか。

最初は受け取り方がわからないけど最終的には楽しんでてくれてたり、嬉しい反応ですね。

―最後に、発起人のこまめさんにお話を伺った。

 

どういう経緯で小林さんに声を掛けたんですか?
こまめさん
こまめさん

やりたいと思ったフラッシュモブは、『楽しいことをやろう』という同じ脱毛症の女性が始めたんです。

イギリスの患者会の団体なんですけど終わった後に最後みんなでウィッグを脱ぐ。
これを見てめちゃくちゃ気持ち良さそうだなって思ったんですね。

こんな注目された状態で人前で私を見てー!と言わんばかりに脱ぐことないですから。
それってどんな気持ちなんだろうって。

脱毛症になってから以前からやっていたダンスを辞めたんです。

BOZE STYLEのライブに行ってダンスした時に同じようにウィッグを脱いだらそれがめっちゃ気持ちよくて。

それで誘って、BOZE STYLEから演出してもらおうと始まりました。

女性と男性が混合なのは初めて出会いましたね。
こまめさん
こまめさん

面白ければなんでもいいんじゃない?と考えています。
男性のハゲより女性のハゲはさらにマイノリティですよね。

我々は楽しいと思っても男性と見られ方が全然違いますよね。
「楽しいことをやろう」という軸にあって、とにかく集まった人が楽しんで面白いパフォーマンスやろうよというメッセージですね。

普段周りの反応は生身で出た時にギョッとする、かわいそうな人、言葉を選んじゃうようなとこがあると思います。

ハゲプロはフラットに見てくれてるところが女性としては居心地がよくて、ハゲを横に置いてそのままを肯定してくれる、その空間が一番好きですね。

むしろケアとか髪がないとか全然話さないで、とにかく楽しいことが好きな人が集まってて

「ハゲを使ってどうやって笑わそうか?」って考えています。

始めて、どんな反応がありましたか?
こまめさん
こまめさん

ぶっちゃけますと、無邪気に寄ってきてくれる人もいるし、逆に髪がなくて悩んでいる人からは煙たがられることもあります。

ただ、私が思うのは髪がなくなったからと言ってかわいそうな人になったわけではないということ。

その人の在り方で、かわいそうな状況を周りが作るということ。

私は髪がないことをかわいそうと言われたくないんです。

ASPJ(※1)とかSNSとかでも色んな発信がありますが、周りのリアクションからも改めて思うのは、

お洒落にする選択肢が女性にはない。「ハゲちゃったー!」って言える空気がない、ということ。

私は10年近く前に脱毛症になり、悩んできたんです。

だけど私くらい笑いに転がしたいなと。
あまりいないけどハゲを出すことを慣れてくると楽しいんです。

元々の性格からウケてなんぼで一日一笑いとろう!って生きてます。

※1 ASPJ:Alopecia Style Project Japan
『髪を失った女性が、自分を受け入れ生き生きと暮らせる社会』を目指して活動している団体。

今後のビジョンはありますか?
こまめさん
こまめさん

いつかハゲ祭りをやろうかと話しています。

大きいイベントできたらいいねって話してて、ハゲが平和に馴染んでフラットに接してもらえるようになるといいなって思っています。

女性も男性のハゲと同じくらい人を明るくする平和の象徴でありたいです。

 

 

―お疲れの中、インタビューに答えていただきありがとうございました。

色んな価値観のある中、自ら行動をし発していくとこうも人に影響を与えるのかと言うパワフルさを拝見しました。

ドレスの衣装から人から音響からものすごいクオリティの舞台。
一度見るとほっこり元気になること間違いなしです。

 

 

撮影:長谷川さや / インタビュー:高山 / 編集構成:土屋リサ

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