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【トークセッションレポート】NOHAIRS special session ー次世代の多様性とは何かー

先日NOHAIRSから、頭皮も洗えて、洗顔フォーム、シェービングクリームとしても使用できるスキンケア用品『Borderless Time』が誕生した。

そのネーミングには、スキンケアに顔と頭皮の境目をなくすという商品コンセプトと、このようなスキンケア用品の存在が、髪型の選択の自由や、多様性のある社会へ繋がってほしいという願いが込められている。

今回は10月20日、頭皮の日にちなんで、多様性を実現するにはどうすればいいのか、どう自信を付ければいいのかということについて、3人のNOHAIRSをお招きし、トークセッションを開催した。

登壇者

佐藤尚之さん
59歳。ハゲ歴35年、スキンヘッド歴15年。
コミュニケーションディレクター。電通時代に『スラムダンク1億冊キャンペーン』の広告を手がけた。著書に『明日の広告』『ファンベース』の他、近著に「ネスカフェ アンバサダー」を成功に導いた津田匡保氏との共同著書『ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー』がある。

安田雅彦さん
53歳。スキンヘッドの上司に憧れて自身もスキンヘッドに。スキンヘッド歴18年。
1989年に新卒で入社したセゾングループ・西友から人事のキャリアをスタート。GUCCI、ジョンソン・エンド・ジョンソン、アストラゼネカといった外資系企業の人事を担当。現在はLUSH Japan人事部長。

杉浦佳浩さん
57歳。スキンヘッド歴18年(ただし常時スキンヘッドではなく、スキンヘッドのノンプロを自認)。
50歳までサラリーマンをした後、独立。現在は代表世話人株式会社代表。多数の企業の社外取締役を務め、スタートアップ企業の支援を行っている。

参加者の大竹さん作のグラフィックレコーディング

Q.コミュニティや組織が多様性を受け入れるために、どうすればいいか?

A.多様性が受け入れられている場所を探そう

高山:NOHAIRSには10代、20代の若者から、薄毛になってきたので、髪の毛を剃りたいけれど、親・教師・会社の人から剃ることを止められてしまうという相談が寄せられます。スキンヘッドは、まだまだ選択しづらい髪型なのかなと感じています。
コミュニティや組織が多様性を受け入れるにはどうしたらいいでしょうか?

安田:世の中的にも、企業の組織文化的にも『多様性を受け入れましょう』という流れがあります。アンコンシャス・バイアス(自分が気付いていない、ものの見方や捉え方の歪み)による思い込みや、決め付けをやめましょうという動きですね。
「男・女だから」「新卒・中途だから」「一人っ子だから」というような決めつけの排除や、スキンヘッドの人たちへの「いかつい」というような、見た目で判断するようなルッキズムを排除しようという流れもあります。
でもそれが見られるのは先進的な会社や大企業で、一方でそうでない企業や組織もあるのが現状だと思います。もっと時間が経てば変わってくるものだとは思いますが。
今は、ありのままの自分で自分らしくいられる場所を探した方がいいと思います。そもそもスキンヘッドが禁止されている会社で働くべきではないと思うんですよね。だから『堂々とやれ』というのが、その質問に対する僕の答えです。

佐藤:こんな堅い話を聴いている人全員がスキンヘッドな中でやるのって面白いですね。「いったいこの集まりは何なんだろう」って思いながら聞いていました(笑)

安田:僕もすごくいい画だと思いました(笑) こんなこと日本のハゲ史上初めてだと思います。

ハゲが一同に介したトークセッション中のZoom画面

佐藤:組織や社内の視点から言うと、どうしても「そういうものの見方や差別はやめなさい」という、コロナ禍における自粛警察みたいな『チェック』になってしまうと思うんです。
でも本来、自分がそういう立場になってみないと、チェックすること自体も実は難しいですよね。

安田:全ての人がマイノリティになる可能性もありますよね。

佐藤:ありますよね。僕はこうしてハゲているだけでもまあまあ人生的に厳しい道を歩んできたわけですが、2年前にアニサキスアレルギーになったんです。しかもアナフィラキシーになって死にかけたので、もし次にまた症状が出たら死んでしまうんです。だから僕はあらゆる魚介類がもう食べられないんですね。生だけでなく焼いても煮ても練っても、だしもエキスも食べられなくなってしまいました。
この厄介な食物アレルギーになったことで、僕はマイノリティになったわけですが、見える景色が全く変わりました。そうなる前まではわりと食の強者というか、食の本とかも10冊くらい書いていたので得意分野だったんですが、一気にマイノリティになったわけですが、マイノリティの方の気持ちなんてわかってる気になっていて、実は何もわかっていなかった。結局、自分もその立場になってみないとわからないというのが、僕の実感です。

杉浦:同感です。僕が講師をさせていただいている取り組みで、『ヤンキーインターン』という田舎のヤンキーに東京で中期のインターンを受けてもらって、就職に繋げるというものがあります。
田舎のヤンキーは、田舎にいる間はヤンキーでいることに熱量をぶつけています。だけど都会に出てくると、ヤンキーでいる理由がないので、その熱量をインターンシップで取り組む営業職にぶつけるんです。そうすると、爆発的なエネルギーを発揮して営業成績を挙げていく。熱量は同じでも居場所が変わるだけで、大きな変化が起こるんです。だから自分の居場所がどこにあるかということは大事だなと感じました。

Q.どうすれば自信を持てる?

A.『小さく』自信を持とう

高山:居場所を変えたとしても、マイノリティな人が組織やコミュニティに飛び込もうとしたときに、ある程度の自信が必要だと思います。自信を持つにはどうすればいいと思いますか?

杉浦:自立というところに繋がってくると思いますが、自分を捨ててしまうことも必要かと思います。『破れかぶれ』みたいなことではなくて、他人は自分の人生を生きられないし、自分は自分だと思っている程度で十分なのではないかと思っています。だから良かれと思って、色々と口出しをしてくる方はいらっしゃいますけど、結局は他人事なんですよ。

佐藤:僕は今の時代に自信なんて持てるわけがないと思っています。情報が多過ぎて、なんでも調べられる時代だから、ちょっと調べたら自分よりもすごい人たちがたくさん見つかってしまう。そんな中で確固たる自信を持っている人がいたら、ちょっとおめでたいというか、お目にかかりたいぐらいです。
自信が持てない時代に、じゃあどうすればいいかというと、大きく自信を持つのは難しいので、100人ぐらいの中の1人、中学・高校のクラス二つ分くらいの中での一番を目指すといいと思います。数学や英語だとなかなか難しいですが、自分の得意分野があればなれるんですよ。サッカーや手芸が上手ければ、100人のうちの1人になれるその100分の1を、手芸と英語と、レストランに詳しいみたいに3つ持つと、1/100×1/100×1/100なので、100万分の1になれるんです

安田:掛け算ですよね。

佐藤:全体でまあまあのところにいくというのは難しいので、小さく自信を持って、それを掛け算して、希少な人間になることが一種の逃げ道なんじゃないかなと思います。
それと、よく年長の人が若い人に「やりたいことを見つけろ」なんてことを言いますが、やりたいことをこの膨大な情報量の中で見つけるのは、無理な話なんじゃないかなと思っています。

安田:確かに、昔の上司は部下よりも情報を持っていたと思いますが、今は必ずしもそうとは言えない。なんならお客様の方が、知識量が多いこともあるくらいです。だから「絶対に自分の方が知識がある」という自信は、リスクやブロックになってしまうことがあるんだろうと思います。
自分に照らし合わせると、僕が人事としてのプロフェッショナルとして生きていくにはどうしたらいいだろうと考えたときに、他の人がなかなかやりたがらない仕事、例えば、社外の機会をお勧めする、リストラクチャリングをリードする、といったような雇用に関することを突き詰めようと思いました。いかにお互いがハッピーに、新しいキャリアを探すかというところを突き詰めて、絶対に人に負けない分野を自分の中に築き上げました
でも常に「今のやり方で俺は正しいのかな」という自問自答を繰り返しています。人事を28年やっている一方で、本当に人の雇用に手を付けるこのアプローチは正しいのだろうかと、時々そういう疑念にかられることはありますし、あえてそう思うようにしています。

佐藤:やり方も変わりますからね。

安田:間違いなく変わりますね。

佐藤:だから、ある分野で自信を持つぐらい頑張っても、その分野がなくなってしまうということもよくあるんですよ。

安田:まさに今がそうだと思います。あらゆる弊害はそこだと思うんですよね。組織の硬直化、ビジネス・組織の成長を止めているのも、実は過去の成功体験に伴う自信が原因の場合もあります

杉浦:私は50歳を過ぎても、新しいことを体験することがすごく楽しいと思っています。最近は初めてヘッドスパに連れて行ってもらったり、今度はお遍路さんをしてみようと思っていたりします。自分の中で小さな経験かもしれませんが、さっき佐藤さんが仰ったように、それは50人に1人、100人に1人のような経験かもしれない。それを一つずつ増やしていくだけでも、希少性の領域というのは広がっていくんじゃないかなというイメージを持っています。

佐藤:スキンヘッドだけでも希少性があるので(笑)

安田:旧知の仲の杉浦さんにあえてお聞きしたいです。杉浦さんは日頃から若い方々と対等な立場でお付き合いされていて、杉浦さんは二言目には「若い人たちから学ぶ」と仰っていますよね。杉浦さんの若い人たちと共に働くというモチベーションや、エンゲージメントというのは、どこから来ているんでしょうか?

杉浦:自分より上の世代の人たちから教わっても意味がないということを、30代後半ぐらいから感じ始めました。彼らの話を聞いていても「一理あるかもしれないけれど、これからの時代には合わないんじゃないか」と感じることが多かったんです。若い人に聞いた方が、これからの時代にフィットしていくのではないかと感じていたのは、今から20年近く前のことですね。

安田:すでに結構前の話ですね。

杉浦:そんな心持ちでいるからか、最近も起業に興味のある15歳の男の子から「杉浦さんと喋っていると楽しいのでお茶に行きませんか?」と言われたんです。年齢差が40歳ぐらいあるわけですが、自分に価値を感じてもらえたことが嬉しかったですね。

Q.外見のコンプレックスを乗り越えるには?

A.ブランディングにする、笑いに変える、居場所を変える

高山:自信というのは、内面的なものもあれば外面的なものもあります。薄毛の悩み、つまりは外面的なコンプレックスはどのように乗り越えればいいと思いますか?

安田:僕は薄毛が元でスキンヘッドにしたことはないので、正解なのかはわかりませんが、キャラにしたり、カミングアウトしたりしてみてはどうでしょうか?
僕は外資系企業にいますが、帰国子女ではないので、英語に対するコンプレックスがあったので、先程、佐藤さんが仰ったように掛け算方式で、他にない価値を兼ね備えるようにしました。スキンヘッドで見た目が怖くても、話してみたら話しやすいとか、スキンヘッドでも、他のところを埋めて、自分をデザインしたり、ブランディングしたりしました

杉浦:私は関西人ですから、笑いから始めるのがいいかなと思います。出張で東京駅に行ったときに、雑踏の中で真剣な電話をしていたんです。そしたら修学旅行中らしき小学生たちがこっちを見てずっと笑っていたんですよ。パッと見たら目の前にカツラが落ちていたんです。「こういうことで笑うのか」と思ったんです。
なので、知り合いのウィッグのメーカーの社長からウィッグをいくつかもらって、それを被ってそのお店でカットしてもらうという体験をしたんですね。ウケ狙い。あえてウィッグを被って美容院へ行く。ちょっと関西人ノリですけど、そうやって笑いを取っていくのも自信が付くんじゃないかと思ったりします。

佐藤:僕はコミュニティを変えた方がいいんじゃないかと思っています。日本はムラ社会なので、同じコミュニティにいる限り、どんなにハゲを克服できたとしても「あいつはハゲだった」「中途半端にハゲてる期間が長かった」とか言われ続けると思うんです。
今は地域的・社会的なもの以外でも、趣味や興味のコミュニティに簡単に入れる時代なので、今いるムラを出て違うコミュニティに属してみるのがいいんじゃないかと思います。
コンプレックスを抱えながら、同じ場所で何年も過ごすなんて、無駄なことだと思っています。違う場所に行って、そこでスキンヘッドデビューするのがいいんじゃないですかね。

安田:ご自身も10年ぐらい前にコミュニティを変えたことで楽になりましたか?

佐藤:めちゃくちゃ楽になりました。

杉浦:僕も会社を辞めて、独立して楽になりました。

Q.ありのままの自分を見つけるには?

A.自分の『利き手』を探そう

高山:違ったコミュニティに移動しても「自分らしさは何なのか」という問題にぶつかるのではないかと思います。ついつい他人と比べがちですが『ありのままの自分』というのはどのようにに見つけたらいいと思われますか?

佐藤:僕が奥手だったのかもしれませんが、僕が自分らしさや自分の道を見つけたのは40、50歳ぐらいのときでしたね。選択肢や情報が多すぎる中でうろうろする期間が長かったので、自分らしさや自分が生きる道を絞れたのは最近のことです。
平均寿命も長くなってきているので、それを見つけるのを急がなくていいと思うし、早く決められるものでもないんじゃないかと思います。

安田:僕も「これなら外資系人事の世界で生きていける」と思ったのは40歳のときでした。

佐藤:『自分らしさ』というものも年齢が上がるにつれて変わってきますよね。

安田:変わります。だから新卒の20代にウィル(意思)の有無を求めるのは無茶なことなんじゃないかと思っています。自分が22歳のときなんて、何も考えていない。女の子のことしか考えていなかったですから(笑)

佐藤:一方で早熟な人が発信をしたり、30代で役員になったりするのと比べてしまって、奥手の大器晩成型の人たちが焦ってしまっているのが現状だと思います。実際は8割ぐらいが大器晩成というか、奥手で、1割ぐらいの早熟な人たちの活躍に対してコンプレックスを持ってしまっているような気がします。

安田:そういうきらいはありますよね。

佐藤:みんながホリエモンにはなりえないので。

安田:そういう人たちが露出しますからね。

佐藤:早熟な人の成功モデルを目にする機会が多いですが、奥手な人の成功モデルは出てきていないんです。それだけの話です。

杉浦:僕も奥手ですね。50歳で会社を辞める直前に体調を崩して、自分の顔が土色になる瞬間を見ました。「これで死んだら終わりだな」という瞬間を見て、やっと自分のことを真剣に考えられるようになりました。人生このままじゃもったいない、もっと自由に色んなことができればいいなと思って、それでサラリーマンを辞める決意ができたんです。
自分で言うのもなんですが、50歳までは目立たないサラリーマンをしていたので、その気付きがあったからこそ、今、自由に楽しくやれているのかなと思っています。

安田:利き手じゃない方の手で文字を書こうとすると、どうしてもストレスが掛かります。利き手で文字を書くように仕事ができるのが、一番いいと思うんですよね。自分の利き手を見つけることに、時間がかかる人もいるということをわかった上で、自分らしいキャリアや仕事を探せればいいと思います。

杉浦:会社組織の中で、利き手に気付かないまま定年を迎えている人は結構いるんじゃないかな。

コンプレックスを抱えている人へ、3人のNOHAIRSからのメッセージ

高山:最後に一言ずつ、今コンプレックスを抱えている人に向けて一言お願いします。

安田:コンプレックスは、自分の置かれている場所によって感じ方が変わります。だから躊躇せずに場所を変えてみてください。それと、自分のアンコンシャス・バイアスがコンプレックスを抱かせていることもあります。色んな経験をして、考え方や居場所を変えみてください

佐藤:居場所を変えるということと、もう一つは発想の転換ですね。ハゲは置いておいて、僕はアニサキスアレルギーになって、食の楽しみを失いました。でも食生活が変わったことで、健康を手に入れられた側面もあります。何かを失えば、何かを得られます。ハゲたことによって、人に対する思いやりやハゲた人に対する共感も持てたりします。『得た』という方向に、どう陽転思考できるかだと思います。それができるとすごく強い人間になれます。

杉浦:自分から『捨てられた』『切り捨てられた』という感覚を持つことが大事かなと思います。それが居場所を変えることにも繋がりますし、色んなことを明らかにして、諦めて、また違う場所に行ける。そういうことができればいいんじゃないかと思います。それと、僕は関西人なので、笑いを取れるところに変換することも、僕はやっていきたいなと思っています。

 

『ハゲ』や『薄毛』ということに関わらず、自信が持てない、コンプレックスを捨てられない全ての人へ向けられたトークセッションとなった。

今すぐに髪を剃ったり、居場所を変えたりすることは難しいかもしれない。しかし明るく前向きに生きるために、3人のメッセージを頭の片隅に置いて、日々を過ごしていただければ幸いである。

 

 

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