
日本一女性の涙を見ている男性の正体とは
以前取材させていただいた原敏さんに紹介してもらった、佐藤仁さん。
下北沢の王将の手前の路地を入ってすぐ、2階の待ち合わせの場所のお店路地裏DE君思草に向かった。
イルミネーションで輝く外観のそのお店は、室内に入ったらより心が躍る、まるでおもちゃ箱のような空間だ。
この占いのお店を構える彼は一体何者なのか。

「敏ちゃんとはSNSで申請がきてからの仲です。仁(じん)ちゃんと敏(びん)ちゃんで名前が似てるし、同い年ですねって。
周りがロン毛しかいないからね。スキンヘッドの友だちが欲しかったので嬉しかったです」
知る人ぞ知る、下北沢の駆け込み寺
――どんなお仕事をしていらっしゃいますか?
切り絵作家と、このお店で人のお悩み相談をしています。占い師って言われたりしてるけどね。
切り絵作家としては毎年3月頃に人人展(今期はすでに終了)という展示会に出展してたり、銀座の湯島天神の裏でギャラリーも構えています。

これは下絵なしで作りました。
お笑いコンビで作家のピース・又吉師匠が詠んだ俳句に合わせて切り絵を作ったんです。
人人展は春画を切り絵で出したりもしている審査がない展示会。
銀座では行儀が悪いって言われてるよ(笑)
このお店は芸能関係者だったり噂を聞きつけた人が来ることが多いです。
みんな占い感覚で口コミとかリピーターの方とか、気軽に来てくれるみたいですね。
触ると幸せになるって僕の耳たぶを触りに来たりね。僕は七福神の布袋様キャラのようです。
3回死にかけた、波瀾万丈な半生
――今に至る前でどういう経緯がありましたか?
元々はファッションデザイナーだったんだけど、バンドマンになってそれがたまたま世間にウケたんです。
その後は、『やんなっちゃった節』で有名なウクレレ漫談家・牧伸二のレゲエバンドのプロデュースもやりましたよ。
レコード会社の代表取締役になっちゃったり、次の会社では会社が倒産したり。
その後は大手広告代理店で企画のプランナーをしていたこともありました。

表現することが多いのかな。
今も『ジェニファー東京』という訳のわからないバンドをやっています。
全身タトゥーで元ストリッパーのお洒落なベースの子がいたり。
メンバーが集まれるタイミングでやるので誰かかけてもいいようにスペアを増やしたら8人になっちゃった。ギターが3人もいるってバランス悪いでしょ(笑)
僕はパーカッションとドラムをやっています。
はたまた青山のカウンターバーで土曜日だけ4年半マスターをやっていて売り上げ1位になったこともあるよ。22歳の頃の話だね。
今のように人生相談を聞くようになったのは、今までに3回死にかけたことがきっかけです。
最初は中2のときに頭を強く打って意識が3日間戻らなかった。
2回目はBBQをしていたら川に流された。
その後さらに大人になって血管が切れた。
その3回を経験したら、『見れたり』、『感じたり』できるようになりました。
今から7年前に占いの方にスカウトされたことがきっかけでこの世界に足を踏み入れ気付いたら見て欲しいと行列ができるようになった。
そのときには新宿三丁目や二丁目、歌舞伎町、ゴールデン街に縁ができましたね。
――NOHAIRになったのはいつからですか?
このスタイルになるまではドレッドヘアで髪が長かったこともありました。
半年くらい引きこもりをしていたことがあり体重が30kg増えたんです。
その後かな、ちゃんと薄くなっちゃった。33歳くらいのときだね。
一気に見た目が変わりましたね。

みっともないから坊主にしちゃえって、そこから3日に1回バリカンで刈ってますよ。
僕にとって薄毛はむしろ良かったんです。これでスキンヘッドにできると思ったから。
ガーっとやるのが一番好きでバリカンは全部で7つ持ってます。
7つの現役がぶっ壊れた順から買い足したり、壊れたらスペアを買ったり。
スタメンはネットオークションで買った海外製の赤いバリカンです。
軽いな〜というのと、防水だからシャワー浴びてそのまま使えるところがいい。
スキンケアはしません。帽子被っちゃうので。
――ファッションのこだわりは何ですか?
12月生まれだからターコイズのアクセサリーをつけてます。
いいことあると自分にご褒美で買ってるね。
ブレスレットは熊の爪がついてるんだけど、二丁目の人に初めてクマのぬいぐるみをもらって以来なぜかクマが多い。

帽子は髪の毛が薄くなっているときから被っていたので100個以上あります。
ハンチングから何から色々な種類を持っているけどキャップは似合わないしハリウッドザコシショウに似てるからカウボーイハットはやめました(笑)
夏はストローハットでね。
みんなと同じ格好したくないんです。この服もサイズに合うようにリメイクしてもらった。
同じ格好している人を見ると自分の服はもう売っちゃう。
あとはオーバーオールがユニフォームみたいになってるね。
ヒゲはもみあげだけにしてみてます。
占い・スピリチュアル・宗教は信用していない
――ご自身を占い師と名乗らないのはなぜですか?
僕は占いやスピリチュアル、宗教は信じてないんです。
話を聞いているという認識だから。だから情報は一切もらわず名前も聞かずに『その人と話をする』。
占って欲しい!という方がいるからお店にはちゃんとした占い師がいるんです。
フジロックで出てるダンサーさんなんだけどね、占いをしたい人はそちらへ。
『人生相談は仁さん』って分けてます。
子どものときから厳しい家で育ってきて、継げと言われて機械の設計会社を継ぐために塾、家庭教師と押し込まれてきた。
自由がなくて反発しまくっていた人生を経ているから人の相談に乗れるんだろうね。
――すごく居心地が良くてわくわくする空間です。このお店は来る方にとってどういう空間ですか?
ここに移転してくる前のところは駄菓子バーをやってたけど、お話聞いたり占いができたらいいと思って、移転後はそういうのを目指してこんな空間にしました。
サンタが大好きなのでサンタをたくさん置いてます。外にはイルミネーションもあるしね。
置いてあるおもちゃは、酒とタバコをやめて飲み会に行かなくなってお金が浮いたので、ネットオークションにハマって気付いたらトラック1台分の量を買ってました。
それがきっかけで、なんでも鑑定団の北原照久さんと仲良くなったりね。

みんなこの水色の椅子に座りに来るんです。座ったら出世するって言われてるみたい。
このテディベアを抱きながら水色の椅子に座ったら彼氏ができたって報告ももらいましたね。
横浜の有名な作家さんとかが座りに来たり、芸能関係者が多いですね。
オーディション前やでかい仕事が来るとき、子供が欲しい、彼氏が欲しいとかのお願い事がある人がね。ほとんど女性かな。
僕はここで日本一女性の涙を見ているから、まるで駆け込み寺ですね。悩める女性の駆け込み寺。
色々な悩みがあるから万(よろず)相談所でもあるかも。
時には女性センターに行って被害届を書くといいよと伝えることもある。女性に対して暴言を吐き始めた時点でDVになるしそこに幸せはないからね。
下北沢っていうのも僕自身の行動範囲であるから。
ここら辺にあるお店の人たちに、僕自身も大変だったときに助けてもらったんだよね。
バンドマン時代、みんなにチャンスをもらってデビューしているから感謝しているんです。
みんな気取らないからね。
うちだけじゃなくて、ここら辺にくると出どころがわからない人が吐き出せるんだよね。
――我々も取材中につい相談してしまうくらい安心感があり落ち着いている仁さん。
ふらっと立ち寄りたくなる気持ちがすごくよくわかった。
薄毛でもなんでも気軽に立ち寄ってみると心意気がよく伝わってくるはずだ。
佐藤仁さんに話に行きたいという方は、お店の情報はこちら。
料金:20分3000円
30分5000円
60分以上1万円(それ以上は1万円据置)
住所:東京都世田谷区代沢5-36-8 北沢ハイツ201
電話番号:03-6453-2298
予約:可(電話受付のみ)
営業時間:14:00〜
定休日:月曜日・水曜日
インタビュー時の撮影風景はYouTubeでもご覧になれます。
モデル:佐藤仁 / 撮影:長谷川さや / インタビュー:高山 / 編集構成:土屋リサ
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