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コミュニティを束ねる男の仕事の流儀とは

今回取材させていただいた方は、事前にフリーランスのコミュニティを運営しているとお伺いしていた。
待ち合わせ場所に現れたのは、ハンチング帽にメガネ、爽やかな笑顔が印象的な男性だった。

2つのコミュニティを運営しているというが、一体どんな思いがそこにはあるのだろうか。

 

コミュニティを運営しているとお伺いしてますが、そちらが主なお仕事ですか?

フリーランスの集まりと、議論好きな集まりの2つのコミュニティをやっています。

どちらも自分がやりたいからという理由で立ち上げました。

フリーランスのコミュニティの方は、「フリーランスの人紹介してよ」ってお願いされることがあって、元々自分にフリーランスのネットワークがあって、フリーランス紹介してたんです。
そのうち、そういう風に紹介するのが大変になってきたので、コミュニティを作っちゃった方がいいなと思って立ち上げました。

 

今では4000人くらいのコミュニティになっています。
企業からの案件がそこに年間200300件来る感じです。

 

最初は小さなところからの始まり。成長するまでに、コミュニケーションのとり方で気を付けていたことはありますか?


2
つのコミュニティはそれぞれ違う形で成長してきましたね。


FreelanceNow』というフリーランスのコミュニティは徐々に大きくなりました。
企業は「フリーランスがいるから案件依頼しよう」と考え、フリーランスは「案件があるからこのコミュニティーに登録しよう」と考える。


シンプルにそういった需要と供給が合致して、だんだんと大きくなりました。


『議論メシ』という議論好きのコミュニティーの方は、クチコミで大きくなっていて、現在
180人くらいの規模になっています。
当初は私のようにディスカッションパートナーとして経営者の方と壁打ちする職業が世の中に多くなかったから、一緒に仕事しようよという感じでコミュニティーを始めました。


今では「問いでつながるコミュニティ」をコンセプトにして月に
10人くらいずつのペースで大きくなっています。

 

うまくいっている原因は何だと思いますか?


コミュニティに限らないけど、
『目の前のこの人に5分間で自分ができることはなんだろう』っていうことを常々考えているんです。


何がしたくて、誰と会いたくて、何を求めているのか、ボトルネックになってることは何なのか、を考えて、「あなたにはこの人を紹介しますよ」とか「こういうの開催しますよ」という感じで自分が楽しくできる範囲の貢献をする。

 

自己犠牲とか、この人のために全身全霊で、というレベルではなくて5分くらいなら毎日誰かのために使えるなと思ってます。


自分にとっての『たった
5分』が相手にとっては大きな意味があることもあると思っているんです。

 

コミュニティに興味を持ったのはなぜですか?


元々、『個の時代』に興味があって、コミュニティを作る前はフリーランス研究家として活動していたんです。

個人で仕事をしていくのは全部自己責任だから、すごく大変でしんどい。
そのしんどい部分を自分でも体験しながら発信していくことで、フリーランスという選択肢を当たり前にできたらと思って活動し始めたんです。

最近は、個であるフリーランスがチームやコミュニティを作り出したので、自分の中で主要なテーマが変わってきました。
『組織の時代』から『個の時代』を経て、その個が集まる『コミュニティの時代』になってきたと感じています。

 

NOHAIRになったきっかけは?


自分の場合は自己免疫疾患になって、いわゆる十円ハゲができてそれから全頭型の脱毛症になって抜けていきました。


20154月頃に襟足の辺りに円形脱毛症が見つかって、それが3ヶ月くらいかけて徐々に広がってまだら状になっていきました。

その頃はカツラを被ったこともあったんだけど、鬱陶しいし、変に残すより剃ってオープンにしちゃおうと思って、全部剃りました。それが20158月ですね。


それからずっと今のスキンヘッドで過ごしてきています。

 

勇気のいる決断だったと思うのですが、実際はどうでしたか?


その時はみすぼらしい風貌になってしまって、これはよくないなという思いの方が強かったですね。

それで思い切って剃ってみたら、気分は晴れやかで気持ちよくて。
Facebookに剃ったことを投稿したら、結構いいねって反応をもらえて、案外いいのかなと思えたんです。

 

それからNOHAIRに合う服装やアイテムを、自分に似合うのは何かなって探し始めました。

 

なんだか新生活が始まる感覚みたいで楽しくて。
この頭になったからできる似合うもので、ハンチング帽とメガネを取り入れ始めました。

 

メガネは伊達メガネ。実は視力2.0あるんです()
トレードマークとして掛けてます。

 

自己免疫疾患はとにかく全身の毛が抜けてしまうので、眉毛がない状態でスキンヘッドだと結構怖くなっちゃうから、印象を和らげるためにメガネを掛けて、頭を守るために帽子を被ってます。

 

でも、おかげで『ハンチング・スキンヘッド・眼鏡のフリーランスがいる』って認識してもらえて、これがトレードマークになったので、仕事ではめちゃくちゃ役立ってます。
初めてのアポイントで待ち合わせもしやすくて便利です。

 

「アイコンのままですね」って言われて、会話もつかみにもなりますし。

これが今の自分に一番はまっているし、自分のトレードマークになっているので、仮に髪が生える治療ができるようになっても、生やしたいとは思わないですね。

 

かっこいいと思う人はどんな人ですか?


謙虚な人が好きです。

すごく会社も大きくして成功してる方なのに、人から学ぶ姿勢を忘れてなかったりとか自分はまだまだですみたいな謙虚さが態度や行動に表れている人ですね。
年下の人からも年齢関係なく学ぼうとしてる姿勢がある人はすごくかっこいいと思います。

 

自分もそうでありたいと思います。

私はお金がなくても、人から信頼されてる人の方がいいな思ってます。
フリーランスだからこそ、信頼関係って大事だなって身を持って学んできましたね。

 

お金を稼ぐよりも誰と信頼を築けるかということの方が大事と思っていて、お金より信頼を貯めるほうが大事だと思っています。
信頼をお金にすることはできるけど、お金で信頼を買うことはできませんし、信頼を貯めておくとはいろんな利息がついてくると感じます。

 

色々な仕事をしてる中で何をしている時が一番自分らしいと思いますか?


やっぱり議論してるときですかね。

 

テーマを持って、「この人のために何ができるかな」とか、「このテーマについて自分は何が言えるかな」って、人のこと考えながらやってるときが楽しいです。

 

議論する意味って相手が見えてないものや考えられないアイディアを提供することだと思っているんです。
今、相手が考えてることか分かった上で、相手とは違う角度から考えないといけないので、まずは相手の考えてることや見方を把握してないとできないんです。

 

だから、相手のことを知るためにめちゃくちゃ質問しますね。

 

得意だなって思って仕事にしたんですか?


得意というよりは好きなことなんです。
唯一の好きなことが議論することなんです。

 

 


WEB
ディレクターをやっていた時に、WEBサービスを創る中でサービスのディレクションよりディスカッションしてみんなでいろいろ考えてる時が一番楽しかったんですよ。

 

その部分だけに関われる仕事にしちゃおうと思って『ディスカッションパートナー』という肩書を作りました。
既存の肩書に自分からはまりに行くのではなくて、自分にしっくりくる肩書ってなんだろうって考えたんです。

 

コミュニティの持つ価値とはなんですか?


コミュニティの持つ価値って、『一人のしたいことをみんなでできる』というところだと思っています。


やりたいことがあったら、それを一旦コミュニティーに投げ込んでみて、議論して、それを一緒に作ってみたり、協力ししあったり。
コミュニティがあるだけで動き出しが全然違いますね。

 

私が究極的にしたいことは、目の前の人の自己実現のお手伝いをすることなんです。

 

マズローの5段階欲求の承認欲求を満たすサービスは今めちゃくちゃあるけど、そのもう一段階上の自己実現欲求を満たすサービスはなんだろうなって考えたら、それは今はないような気がします。
それを満たすのがコミュニティなんじゃないかな。

タイプの違うコミュニティを自分で2つ作って、運営の仕方を知っているので他のコミュニティのコンサルティングなんかもやっています。

 

本当にコミュニティー大好き坊主なんです()

 

 

―人が人である本質を聞けた。

自分にとっての5分が相手にとって大きな意味を成すかもしれない。
そう考えて動く人が増えれば、可能性に満ちた世界になるのではないだろうか。

 

モデル:黒田悠介 撮影:長谷川さや インタビュー:南はるな 編集構成:土屋リサ

 

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