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自然体でいることで、自分も周りもハッピーに。

スキンヘッドにするもっとも多い理由は「髪が薄くなったから」。しかし、薄毛でなくても、自発的に頭髪を剃る人も確実に存在する。

全身黒ずくめのコーディネートで知られ、「黒のITコンサルタント」との異名を取る実業家・加藤利彦さんもその一人。

加藤さんはなぜスキンヘッドにしたのか? じっくりと語っていただいた。

服も髪も人間関係も、自然体でいこう!

僕はIT屋さんで、システムを作ってみんなの仕事をスムーズに回す黒子的な役割を担っています。

だから服装は全身黒。仕事のときはずっとイタリア製のスーツを着て行ってました。
身なりや見た目のことを気にしていたんですね。

仕事に行くときに格好良い時計をして、革靴を履くのは当然だと思っていました。

そんな僕に転機が訪れたのは、4年前。初めて登山をしたときです。

山頂でお弁当を食べようとしたら、麓から持っていった800円の焼肉弁当が凍っていました。

しかも軽装備で行ってしまったからとても寒くて・・・。震えながら食べたけど、めちゃくちゃおいしくて。

それがきっかけで、“自然体であること”がものすごく贅沢に感じられるようになって、スーツを着るのをやめました。

仕事のときは山登りの格好か、作務衣みたいな服に変えました。

仕事へ影響が出るのではないか? と思いますよね。

実際、スーツを着ているときと、今のラフな服装のときでは人間関係は何も変わらないし、仕事への影響も出なかったです。

それから、自分にとって不要なものをどんどん削っていこう、髪の毛も一度すべて剃ってみたらどうだろうと思い始めました。

「スキンヘッドにしてみたら?」と勧められはしましたが、決めたのは自分です。

僕にとってスキンヘッドにするのは自然な流れでしたから。

自然体でいられるかどうかは、人間関係を見極める上でとても大切なことです。

僕にとってスキンヘッドにしていることが自然体なのに、もしそれを見て違和感を感じる人がいたら、僕とその人は合わないんだと思います。

無理に相手に合わせることはできるかもしれないけど、合わせ続けることはたぶんストレスになるし、その人からは自然と遠ざかっていくと思うんです。

自然体でいることで、人間関係にも変化がありました。

「加藤さんがいると安心だよね」とか「面白い」と言われることが増えました。

僕が自然体でいることで、周りの人も心地よい。そういう状態を目指しています。

何かを諦めるのは、もったいないこと

以前は肩くらいまでのロン毛にしていて、妻から「髪の毛が長いのが嫌」と言われていたんです。似合ってなかったのかな? 髪が短いぶんには妻は嫌がらないでしょう。

もし周囲にスキンヘッドにすることを反対されたら、むちゃくちゃ簡単です。内緒でやってしまえばいいんじゃないですかね。「ごめん」って言って。取り返しはつくと思うので。

周りの人も、本人がしたい髪型なら一度させてあげたらいいんじゃないですか。

僕がもし薄毛だったら絶対にスキンヘッドにします。

すぐに全部剃るか、めちゃくちゃ植毛するかのどっちかです。中途半端にしておく必要はないと思うので。

もし、職場の人たちからスキンヘッドにすることを反対されているなら、その会社や業界を選んでいるのは自分自身。

そこから離れてもっと自由になる選択もあるのだと思います。

何かを諦めることって、もったいないことだと思っています。

人生は一度しかないですから。

髪を剃ったら、新感覚のアンテナが開いてきた!

 

剃ったときは、鏡を見て驚きました。

ずっと生えていた髪の毛が、今は「ない」のが皮膚感覚でわかることがオドロキです。

皮膚が冴えて敏感になって、剥き出しになっている頭から、外気や、みんなが発しているエネルギーを感じるんですよ。

なんだか面白い感覚ですね。

スキンヘッドになったらどんな感じになるのか、シミュレーションできるアプリもありますけど、実際にやってみると予想とは全然違う体感が得られます。

優しい気持ちになれるような、すごく不思議な感覚です。

これから、この頭で人と話すのが楽しみ。

今まで持ってなかったアンテナができたような感じで、これまでとは違うものをキャッチできるんじゃないかと楽しみにしています。

お風呂に入るときも、ラクそうですよね。僕は髪を洗うのが面倒くさくて。

髪の毛って洗うだけだったらまだいいけど、拭かないといけないし、ゴシゴシしないといけないし、その後はドライヤーをしたり、出かけるならセットも・・・と、結構な手間がかかる。

そこの時間をカットして、効率化しましょうと言っているわけじゃないけど、今回髪がなくなったので、煩わしいことがなくお風呂に入るのが楽しみです。

スキンヘッドにしてみたら、自分の感覚が変わりました。

こんなに物事に対しての感じ方が違ってくるし、頭皮からどんどん入ってくる情報があるんだってこと。

なんだかとても清々しいですね。

何が自分に必要で、何が不要なのか。

山登りが転機となった加藤さんは、単にモノだけではなく、自分自身についての棚卸しの必要性にも気がついて実行した。

その中の一つの手段がスキンヘッドだったのだ。

毎日の生活に追われるなかで、自分にとって本当に必要なもの、不必要なものを見極めると、自然体で自分らしくいられるのかもしれない。

モデル:加藤利彦 株式会社グッドマネジメント総合研究所代表取締役 / 撮影:長谷川さや / インタビュー:高山 / 文:青野まみこ

 

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