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人と違うことが僕を作っていく

ハゲを強みに変えた人たちの生き様を伝えるインタビューシリーズ。

今回お話を伺うのは『ジャイロ総合コンサルティング』の代表取締役、渋谷雄大(しぶや たけひろ)さんだ。

中小企業診断士の資格を持ちWEBを活用した幅広いコンサルティングを行なっている。

人気コンサル講師としても活躍しており、年間の講演数は150回を超える。著書に『繁盛店が必ずやってるチラシ最強のルール』(ナツメ社)がある。

今回はそんな渋谷さんに、波瀾万丈な20代の経験や、バリカンを握ることになったきっかけ、不安に打ち勝つ方法についてお話を伺った。

否定されるとやりたくなる天邪鬼

「正直なところ、人前で話すのはあまり好きではないんですよね。

元々、人とコミュニケーションを取るのがあまり好きじゃなくて、事務所でコツコツとパソコン打っている方が好きなんですよ」

そう言いながらも、現在はセミナー講師として、全国の商工会議所で講演をしながら、コンサルティング企業の代表取締役も務めている。

自身の意向に反して人前に立つ仕事だ。年間150回を超える公演数。その人気の秘訣は一体なんだろうか。

「人と違うことをやりたいんです。だから例えば、講師業にはテキストをちゃんと作って順序立ててやるものだというセオリーがある。

でも僕は天邪鬼なので、それとは逆をやるんです。そうすると、他の講師との差別化が起こっているんです。

振り返ってみると人前に出ることは嫌いだけど、出たがりだったような気がします。

小学生の頃、僕は一番地味な人間で目立たなかったんですが、学芸会では主役をやりたいと言い張って、主役をやったんですよ。

だから意外と出たがりなんだなということを感じていて、なおかつ、人とちょっと違うことをしたいのと、人から否定されるとやりたくなる天邪鬼な一面もあります」

人とは違う方法を模索することが、他との差別化に繋がり、リピート率8割を超える仕事に繋がった。

その性格は、渋谷さんのこれまでのキャリアにも表れている。

「新卒の同期入社が30人ぐらいたんですが、3日間で25人辞めたんです。僕を含めてて5人だけが残りました。

他の4人は根性があったんです。でも僕は『みんなが辞めるんなら、俺は辞めない』という天邪鬼な気持ちで残っていました。

社長が夜逃げ。倒産整理の仕事を任された

「新卒で入社したその会社はブラック企業で、入社から2、3年経ったぐらいのときに社長が夜逃げして、残った役員にこう言われました。

『渋谷くん、君がこの会社を潰すんだ』

新卒2、3年の僕に、売上60億円の倒産整理をさせたんです。

それを命じた役員も逃げてしまいました。

最初にやったことは債権者集会での土下座でした。そこで何かが吹っ切れましたね。

命じられたときは死にそうだと思ったんですが『案外、死なないものなんだ』とその瞬間に思いました。

結局なんとかなるものなんだと。

嫌なこともいつか必ず終わるんだとそのとき悟った気がします」

「今だと笑い話ですけどね」と渋谷さんは笑う。

この経験が、型にハマらず、自分の道を進むことを恐れないきっかけになった。
そしてそれは、髪型を変えるきっかけにもつながっていく。

自分の髪型に合う思考

「子どもの頃はマッシュルームカットでした。

小学生から中学生前半ぐらいまではふさふさでしたね。

それからなんとなく髪を切って、高校生ぐらいで金髪にして、パーマをかけたという感じです。

ただし、うちの親とじいちゃんもハゲているので、いつか僕もハゲるんだろうとずっと予想していました。

薄毛が気になり出したのは、20代後半から30代前半ぐらいの頃です。

そろそろ親父の遺伝が出てきたと、気になってきました。

だからハゲることを受け入れていたわけじゃなくて、同年代と比べてコンプレックスは感じていましたね。

でも親もじいちゃんもハゲているので、抵抗しても無駄という思いはありました」

受け入れるでもなく、抵抗するでもなく過ごしていたが、あるとき髪型と自分にとってのメリットが合致した瞬間があったという。

「講演会の講師を務めるようになってから、移動中に傘を持ち歩きたくなかったんです。

そこで『髪を剃ってしまえば、傘をささなくていいんだ!」とひらめいたんです。

なおかつ、真偽はわからないんですが、自衛隊やSPは任務上、傘をささないという話を聞いたことがあったので『そうだ、俺は自衛隊やSPなんだ!』と思い込んだんです(笑)

そしてバリカンを購入して刈り上げました。40歳の頃だったと思います。

とても暑い日だったし『まあいっか』と。

それぐらい抵抗感はなかったんだと思います。実はそこまで強くコンプレックスがあるようでなかったと思います。これはこれで気に入っています」

不安は杞憂。不安になる直前に動く

30歳から40歳までの約10年間、体重は85キロでスーツのサイズはLLだった。今は大きくサイズダウンして、Sサイズだ。

周りからは「すっきりしたね」と声をかけられた。仕事や体型の変化を乗り越えてきた渋谷さんは、行動思考をも変えた。

「悩みを抱えると不安になって、うじうじと考えてしまう癖が強かったんです。ネガティブに考えて身動きが取れなくなってしまうんですよ。

そこで、『とにかく動く』ことを心がけるようにしました。

髪もそうでした。薄くなり始めたときにただ漠然と『どうしよう』と思って立ち止まってしまうんですよ。

だから不安になる直前に何か行動を起こすことを繰り返すようにしています。

そうすると、抱えていたモヤモヤが大したことがなかったと感じられるんですね。

バリカンで刈る前はモヤモヤと悩んでたんですが、坊主やスキンヘッドの俳優さんが、格好良く見えてきました。

自分にその姿を重ねると自信を持てるようになりました」

自衛隊や坊主、スキンヘッドの俳優に自分の姿を重ねて、スキンヘッドになることを受け入れてきた渋谷さん。

最近は後進の講師を育てていきたいと考えている。

「講演会の仕事は日に日に増えているんですが、内容の面でいずれ若い人に勝てなくなる日が来ると思うんです。

そうなったときに備えて後進の講師を育てたいと思っています」

『とにかく動く』

渋谷さんの言う通り、動かないと何も始まらない。
不安を抱えたり、悩んだときこそ、行動を起こすことがその突破口なのではないだろうか。

 

モデル:渋谷雄大 ジャイロ総合コンサルティング株式会社 代表取締役 / 撮影:長谷川さや / インタビュー:高山 / 構成:森美沙稀

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