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第1回NOHAIRSウェブセミナー 『働き方・マネジメント──コロナ禍で求められる人事とは』

これまでハゲを強みにしたビジネスマンたちにインタビューを行ってきたNOHAIRS。

薄毛に悩まず振り切ったビジネスマンからは、人生だけでなく仕事においても学ぶところが非常に多い。

コロナ禍という危機においてそんな彼らと手を組み、有益な情報を発信していく新たな取り組みスタートさせることにした。

その第1回として6月5日に『コロナ時代に求められる働き方・マネジメントについて』というテーマでLUSH Japan人事部長・安田雅彦さんをお招きしてウェブセミナーを行った。

数年前から働き方改革が提唱されるようになり、さらにこのコロナ禍を機にリモート勤務が標準化しつつある今、組織のあり方、働き方はどのように変わっていくべきかを安田さんにお話ししていただいた。

安田雅彦さんプロフィール

安田さんの人事のキャリアは1989年に新卒で入社したセゾングループ・西友からスタートした。転機となったのは1999年に会社清算による全社員解雇という辛い経験だ。

それ以降、苦労や経験を無駄にしないという信条の下、常にキャリアアップを心がけ現在はLUSH Japanの人事部長を務めている。

安田さんの過去のインタビューはこちら
→『人事のプロフェッショナルでありたい』

働き方の今までとこれから

リモートワークという新しい勤務様式が登場したことによって、「働き方やマネジメントに変化が起きるのではないか」という問いが頻繁に見受けられる。

しかし安田さんはコロナ禍においても働き方やマネジメントの進むべき方向に変化はないが、変化しなければいけないスピード感は増したという。

我々の働き方は今後どのように変化するのだろうか。そこには5つのキーワードがあった。

貢献度|達成可否ではなく貢献度で図られる新たな評価制度

これまでの評価は目標に対してできたかできなかったか、達成度がどうであったか、というものを全社一律の枠組みの中で計る制度でした。

これは評価の公平・公正を図っていたんですね。しかしこれからは、貢献度で測られるようになってくると思います。

近年、目標管理制度をやめようという会社が増えています。LUSH Japanでも3年前に、従来型の目標管理制度をやめました

目標がうまく作れなかったり、時間がかかっていて、評価の時期に目標が変わっていることもあって、せっかく作った目標が機能していないことがあるんですね。

結局、目標達成評価は意図通りに機能していないのではないかと思ったんです。

目標を立ててしまうことの弊害は、『できたか、できなかったか』の評価になってしまうことです。

そして目標を立てるということが形骸化してしまうとすれば、これからの評価はビジネスやチームワークへの貢献度が評価されるようになると思います。

エンパワーメントとエンゲージメント|管理するのではなく『明日もここで働きたい』という意欲を育む

これまでのマネジメントは『管理職』と訳されていたように管理・監視するという役割を負っていました。

ところが、コロナ禍でリモートワークが顕著になると物理的にそれを果たすのが難しくなります。勤務中はカメラをオンにしろなんてことを言っても、それでは社員のやる気は引き出せません。

そこで登場するのが『エンパワーメント(権限を与える)』という価値観です。

働きぶりは分からないので、出すべき成果を上げているか、そもそもそのビジネスにおける成果とは何かを突き詰めました。
そして、それを達成するために権限を移譲するという方向になっていくと思います。

成果とは何かを突き詰めて考えたときに、やる気の源となるのが『エンゲージメント』という価値観です。

明日もこの会社・職場で働きたいで働きたいという気持ちを引き出すのが今後のマネジメントに必要不可欠になってくると思います。

社員は大切な他人|他者受容で正しい信頼関係を育む

エンパワーメントをするときに重視されるのは信頼関係です。

信頼関係とは、相性ではなく自分とは違う他者をよく知る『自己理解・他者理解・他者受容』の意識的なトレーニングで築くものです。

それを維持し続けることが組織の力点となってくると言われています。

そうするとこれまで企業は社員へ家族的な繋がりを求めていましたが、企業と社員は信頼関係の中で繋がる大切な尊重すべき他人になります。

共有する文化・価値観|制度ではなく信じているもので繋がり合う

企業と社員の繋がり方が変わるとガバナンスについても変化が生じます。

詳細な制度で縛られるのではなく、共有する文化・価値観がガバナンスの根幹になってくると思います。

我々は何のためにここで働いているのか、何を大事にしている集団なのかを共有するんですね。そうすると制度をルールで細かく設計しなくても、判断を誤ることがないんです。

おそらくこれからは、ルールや制度を基に判断するのではなく『その決定は、うちの会社の組織文化や価値観に照らして、ありか・なしか』という検討がされていくと思います。

市場性|公平さから市場性を重視した給与・人事制度へ

今年、経団連の会長が、終身雇用は維持できないと言ったことに端を発して、年功序列がいよいよ崩壊したなんてことが言われていますね。

これは勤続・年功・年齢で決まっているある種、公平な賃金の体系が崩れて、新卒の社員の賃金が1,000万円のような世界が加速するだろうと思っています。

どう変化するかというと何年そこで働いているかではなく、どれぐらいの責任を担っているかというジョブサイズによってお給料が変わってきます。

もう一つ大事なことが職種の市場価格です。経済状況やトレンドで、お給料がいい仕事とそうでない仕事があります。

例えば、今はeコマースの賃金が高いですし、不景気になったりして財務的なコントロールや戦略の重要性が意識されるようになれば、財務担当者が人材市場の中で取り合いになります。
そうするとお給料はコンペティティブになりますね。

今の市場を見て給与が決まる。この流れは既に始まっていますが、これからより顕著になってくると思います。

価値観の共有と信頼関係づくりがこれからのマネジメントに求められる

以上を踏まえて、私が思うコロナ禍の今後に求められるマネジメントのあり方をご紹介します。

企業の価値観を明確に共有することで、自主性・自律性を育む

まず、なぜ働くのか、何のために働くのかといったときに、『我々は何者で何のためにこの仕事をしているのか』という明確な企業の価値観を常に問いかける組織は、より大きな変化や貢献を世の中にもたらすことができます。

さらにマニュアル的なルールよりも、最終的に何が我々のビジネスにとって受け入れられるのか、我々のリスクは何なのかという価値観や文化を共有できている方が、判断を間違わないんです。

これが有る会社はどういうことが起きるかと言うと、「うちだったらありだな」とか「うちだったらないな」という会話が担当者レベルで普通に行われるんですね。

例えば、私が過去に在籍していたジョンソン・エンド・ジョンソンという会社には『Our Credo』という、ビジネスを進める上で、絶対に果たさなければいけない4つの責任が示されていました。

それが徹底されているので、社員同士で「世の中的にはありだけど、クレド的に無理だな」「そうですね」という会話が日常的に行われています。

判断基準が上司のYes,Noではないという時点で、自然に自主性と自律性が育まれていますよね。

これは今在籍しているLUSH Japanもそうなんですが、僕が今まで勤めた5つの会社の中でそこまでのクリアな価値観があったのは、この2社ぐらいだと思います。

この2社に共通しているのは、組織文化や価値観を維持する努力をしていて、常にそれを問いかけているという点です。

努力して築く信頼関係が、一人一人を成長させる

信頼関係が生まれることで何が起きるかというと、最終的に特別なことをしなくても一人一人が自然と成長していく組織文化が出来上がります。

一般に能力開発の主体は本人と上司だということが言われていますが、実際のところ上司がつきっきりで部下の成長を促せるのは、入社から1-2年目ぐらいまでではないでしょうか。

その後は上司の元を離れて、専門領域やお客様を持って仕事を進めていきますが、そのときに成長できる環境というのは、周りからのフィードバックが得られるところなんですね。

上司以外からの敬意を持ったフィードバックが自然に起きてくる会社は、人材開発プログラムや教育担当がいなくても、自然にみんなで成長する組織文化になっていくと言われています。
私にもそういう経験があるので、これができる会社は強いだろうなと思います。

その信頼関係は何で築くかというと、『自己理解・他者理解・他者受容』のサイクルと体系的な知識とトレーニングです。

そして、それを維持する努力がなされなければなりません。先程も言いましたが、相性的な繋がりとは異なります。

コロナ禍で生じた最大の命題はエンゲージメントの高い職場づくり

コロナ禍で、リモート勤務が「新しいノーマル」になって押し寄せてきた命題は、エンゲージメントの高い職場をどう作っていくかということです。

「明日もここで働きたい」と働いている人が思う職場をどう作るか。

日本のエンゲージメントサーベイは先進国の中でも極めて低いんです。これについての僕の推測は、日本人は仕事を楽しいものと思ってはいけないと思い込んでいるフシがある、ということですね。

でも「明日もあの職場に行きたいと思える方がいいよね」ということがだんだん分かってきたわけです。

ですからそういう職場をいかに作るかが、これからのマネジメントのポイントになってきます。

マネージャーとかリーダーという立場にいる人は常にそこに気を配っていくことが大事ですし、もうひとつ大事なことは誰かに与えられるのを待たず、『本人』もそれを求めるということです。

苦労や苦痛に耐えるだけじゃなくて、自分をいかにハッピーな状況に持っていくか、自分がエンゲージする状況に持っていくか、もしくは新しい場所を自分が探すか。

飽くなき探究心を持って、常に自分のエンゲージメントが最大に生きる場や、シーンを作っていくことが全ての働く人にとっても大事なのかなと思っています。

『働くことの未来』を問うセミナーだった

安田さんが人事のプロフェッショナルであることと、テーマがマネジメントであることから、人事やマネージャーに特化した講演内容を予想していたが、『エンゲージメントを持って働く』ということは、ポジションや役職を問わず、多くの働く人が見つめ直すべきテーマだった。

NOHAIRSは今後もプロフェッショナルなハゲの経験や体験を発信するセミナーを引き続き予定している。

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