
あなたの決断があなたにとっての正解!現役皮膚科医が本音で語るAGA治療よもやま話
「薄毛治療に興味はあるけど、内容が今一つわからない」と思っているあなた。
治療に関すること、費用、注意点などもさることながら、本当に必要な心構えがわかったらどんなに心強いでしょうか。
本日は、現役でAGA治療に携わる皮膚科医・堀内祐紀先生をゲストに迎え、医療従事者として、また1人の女性としての目線から、とことん薄毛治療について、語っていただきましょう。
皮膚科とAGA治療、クリニックと育毛サロン、どう違う?

高山 今日はAGA治療をされている秋葉原スキンクリニックの堀内先生に、お話をお聞きします。

堀内 こんにちは。秋葉原駅の近く『秋葉原スキンクリニック』で、皮膚科と美容皮膚科の診療をしている堀内祐紀と申します。

高林 高林学といいます。20歳くらいから薄毛に悩みだして、25歳のときに人生で初めて坊主にしました。スキンヘッドにしたのは2~3年前です。仕事は会社員で、営業をしています。
高山 堀内先生のクリニックはAGA治療もされていますが、基本的には皮膚科がメインでしょうか。
堀内 AGA専門ではなく、医療レーザー脱毛、ニキビ・たるみの治療とか、アトピー性皮膚炎やじんましんの治療もやっています。基本的に「体の表面に見えるもの全部を取り扱う」感じです。
本来、「AGA専門科」というものはなくて、髪の毛は皮膚科の領域なんです。円形脱毛症も皮膚科で診ますしね。
高山 なるほど。それではAGA治療とはどういうものなんですか?
堀内 AGAとは「男性型脱毛症」のことで、AGA治療とはそれに特化した治療法です。
「発毛」「育毛」「AGA」はかなりオーバーラップするところが多いんです。
「AGA」の原因は男性ホルモンですがそれ以外に、例えば薬やがん治療や免疫の問題で脱毛が起こることがあります。そういった原因の脱毛にも治療は必要なので、「抜けてしまった毛を増やす」治療という意味でなかなか区切るのが難しいんです。
ただし、脱毛の原因が分かることで治療方法は変わってきます。
高山 クリニックと育毛サロンは、どう違うんでしょうか。
クリニックだと診断後に治療になりますが、サロンだとそもそも自分がAGAなのか、そうではない原因で毛が薄いのかがわからなかったりするのでしょうか?
堀内 サロンの方がどれぐらいの見立てができるかにもよりますが、薄毛の原因を突き止めることが難しくなると思います。
特に男性型脱毛と病気の薄毛の合併症の両方が原因の人もいるので、そういう場合は両方の治療をしないといけなくなる。
サロンの場合はどういう理由であれ「毛を生やす」メニューを提供するので、生えることもあれば生えないこともあるわけです。
「良いクリニック」とは何か
高山 良いクリニックと、そうでないクリニックはどうやって見分ければ良いのでしょうか?
堀内 さまざまな方針のクリニックがありますし、患者さんがどんな治療を望んでいるのかも異なりますよね。
手早く安く、薬を処方してもらうためだけのクリニックと、じっくりと悩みを聞いてくれるクリニック。
今は値段を安くして、遠隔診療で治療費を抑えられる
今は遠隔診断で治療費を抑えられるクリニックも人気ですね。
さらにいろいろな手段を持っているクリニック。
これだけさまざまなタイプのクリニックがある理由は、それぞれに需要と供給のバランスがあるからなはずです。
だから自分との相性の見定めが必要かなと思います。
高山 「良い」「悪い」は「自分に合う」「合わない」ということでしょうか。
堀内 そうですね。自分が何を求めているのかを明確にしておいた方がいいです。
1回目で自分が「ここ最高だな」って、フィットするところを見つけるのはなかなか難しいと思うんですよ。
美容院もそうですよね。何回か通って「ここがいいかな」と気付くこともあるので、1回で見極めようとしなくてもよいと思います。もちろん嫌だったらクリニックを変えてもいいんですよ。
AGA治療を始めるベストタイミングは?
高山 AGA治療を始めるベストなタイミングというのはあるんでしょうか?
堀内 予防するなら、始めるのは早ければ早いほどいいと思います。
ただし治療の薬を早く飲めば飲むほど、長く飲まないといけなくなります。
むやみやたらに薬を飲めばいいというものでもなく、肝機能の値など身体の定期的なチェックをしながら飲む必要があるんです。
先生によっては「薄毛がちょっと気になってからでもいいんじゃない?」と仰る方たちもたくさんいると思います。
しかし本当に進行してしまって、ポテンシャルがない状態から飲んでも効果が出ないことがあるんです。
だからちょっと毛が細くなってきたなとか、枕に髪の毛がつく量が増えたなとか、そのくらいのときに飲み始めてもらうと効果がしっかり出ると思います。
高山 例えば高林さんが今からAGA治療したら、髪は生えるものでしょうか。
高林 (自分の頭を指さして)これをAGA治療しようって言うんですか!?もう頭頂部分は髪の毛がないですからね。
堀内 ちょっと難しい可能性もあります。増えはすると思いますが、伸ばして中途半端になるんだったら、そのお金は違うことに使った方がいいのではないでしょうか?
もし全体的には生えるのなら治療する価値はあると思います。
今は人工毛(じんこうもう)といって、人工の毛を埋める治療があるんですよ。
私もやってみようかなという気持ちはあるんですけど、人工毛は異物ですからトラブルになる可能性もあるのでやっていないです。
高林 へえ!
堀内 結局そこまで生やさなくても私はいいかなって結論になって。そうまで固執した後の精神状態が心配になってくるんですよね。
人はお金を使ったら使っただけ、抜け出せなくなるものなんですよ。
高山 「これだけ費用かけたから引き返せない」って思うんでしょうね。
堀内 だから「そこまでしなくてもいいんじゃない?」と患者さんに言える医者がいてもいいんじゃないかと思っています。
そういう意味で、私はヒゲ脱毛に来る若い人を1回は引き止めるようにしているんです。
「髪の毛が薄くなったときにヒゲを伸ばしたくなるかもよ」って。
高山 なるほど。それは素晴らしいですね。
堀内 その人の人生において、面白いことにお金を使うほうを選んでもらった方がいいから。お金は湯水のようにあるわけじゃないですからね。
そういうことも気にしながら、治療の提案をしています。
気になる、薄毛治療のお値段の話
堀内 植毛や再生医療だと費用が高くて、一生続けるとなると何百万円、何千万円もかかってしまいます。
でも現在、一般的な飲み薬だと1か月に5〜6,000円が平均ですね。高くても1万円くらい。
市販の濃度の高い育毛剤も同じくらいの価格です。
だから年間で6~10万円で、何年もずっと飲み続けなければならないけど、髪の状態がキープができるような薬が出ています。
高山 そう考えると、薬を使った治療のハードルは低いのでしょうか?
堀内 すごく低くなりましたね。保険適応外にはなりますがジェネリックも出てきました。
昔、植毛しか選択肢がなかったころは、サロンで100万200万で施術をしたり、かつらに何十万もかけていたことと比べたら、飲み薬で薄毛の進行を遅らせることができるのはとてもリーズナブルですよね。
AGA治療薬は少しぐらい飲み忘れても大丈夫
堀内 私の友人は、連休に旅行に行くときに飲み薬を自宅に忘れてきてしまって慌てたことがあると言っていました。「大変だー!」って。
真面目な人ほど、不安になりやすいんですよね。
それに治療の終わりがわからないからスタートができないという方もいます。ずっと薬に頼らないといけないことを考えてしまう。
高山 実際、一定期間飲み忘れたら一気に髪が抜けたりするんですか?
堀内 そんなことはないと思いますよ。半年~1年くらい飲まないと、服用前の状態に戻りますけどね。
男性型脱毛は髪の毛の成長期の期間が短くなってしまって抜け落ちてしまうんです。
飲み薬には成長期を持続させるので、髪が太くなってしっかりしてくる。
だから薬を飲まなければ、次に生えてくる毛が細いまま、短いままになるということなんです。
だから突然たくさん抜けるようなことはないんです。
高山 なるほど。じゃ旅行に持っていくのを忘れても大丈夫ですね。
堀内 全然大丈夫だと思います(笑)
健康な髪の毛は健康な生活に宿る!

高山 先生は皮膚科のクリニックの先生ですが、先生から見て育毛サロンにはどんな良さがあると思いますか?
堀内 以前「『AGAを治すことが健康に良い』と言われたら、何の抵抗もなく治療する」とおっしゃった方がいて、なるほどと思ったことがありました。
実はAGAの相談でいらした方の中に、生活の乱れでとても頭皮の状態が悪くて、それが理由で抜け毛が起こっている方もいらっしゃるんです。
そういう方については、AGAの治療をする前に頭皮環境を整えるだけで毛が生えてくることがあります。
高山 そういう方って結構いらっしゃるんですか?
堀内 いらっしゃいますね。きっとサロンさんがやっていることはそういうことですよね。
頭皮環境を整えて生活を見直して、定期的に通ってもらうことでチェックをする。
チェックするとなると、人って気をつけるじゃないですか。体重測定と一緒ですよね。
健康な頭皮環境のための習慣をつくるのがサロンさんの手法かなと思います。
今はサロンと医療の垣根がなくなって重複する領域もあるので、私たち医療者もサロン的な頭皮環境を整えるような話をすることもあります。
高山 どのような生活習慣が薄毛に繋がりやすいのでしょうか?
堀内 例えば、不眠、夜遅く食事をする、湯船につからない、喫煙量が多い、肥満、そんな要素が複数ある方が薄毛になりがちなんです。
でもダイエットしたり、運動して健康になったりすると、髪も生えてくる方が結構いらっしゃいます。
高山・高林 へぇー。
堀内 髪の毛には男性ホルモンだけじゃなくて、頭皮の血液の流れや栄養素なども関わってくるので、ちょっと意識が変わるだけで実は髪の毛も元気になったりするんです。
頭に毛が生えてなくても心臓に毛が生えていればいいじゃないか!
堀内 診察中によく「先生はどう思いますか?」と患者さんから聞かれることがあるんですが、私が提案できることは「髪の毛があるうちは、髪の毛がある状態が好きなら薬を飲むしかない」か、「『スキンヘッドにした俺はイケてるぜ!』と思うなら飲まなくていい」の2つなんです。
そこで「あなたはどっちですか?」と尋ねると「髪があった方がいいです」と答えるので、「じゃあ飲みましょう」と言いますね。
高山 その回答すごくいいですね。
堀内 私たちは生やしたい人だけに向けて治療をしているので、そうじゃない「生やさない」を選んだ人もいることは、すごく面白い。NOHIARSの存在は患者さんたちにも紹介できるって思ったんです。
高山 ありがとうございます。私たちは別に「スキンヘッドにしろ」と言っている集団ではなくて、選択肢を提案しているんですよね。
本人が良いと思えば、それがきっと正解だと思うんですよ。
堀内 そのとおりです。とにかく今の積み重ねが未来だから「今どうしたいのか?」がすごく大事で。
「未来にどうなっていたいか」はちょっと置いておいて、「今」なんですよね。
人って「薄毛」とか「毛がある」とか、それだけではないと思うわけです。根本の根本を言うと、そこじゃない。
高山 わかります!
堀内 だから悩まずに決断をしてください。決断できる人間になったらたぶん未来は違ってきます。
だって髪の毛ふさふさでも何の決断もできなかったら、とんでもなく嫌じゃないですか!
高山 嫌です!(キッパリ)
高林 いやー、今のいいっすね。
高山 本当にそうだと思います。
堀内 髪の量の問題じゃないんです!それこそ「心臓に毛が生えてる」って言うじゃないですか。その、心臓の毛の数の方が大事ですよね。
高山 上手い! なるほど。
高林 確かに。
堀内 髪の毛ふさふさだけど心臓がちっちゃかったらやだなって思う。
高山 おっしゃる通りです。
自分に自信を持ちましょう!
高山 最後に高林さん、何かあれば。
高林 世の中のAGA治療の先生がみんな、堀内さんみたいだったらいいのにって思いましたね。
堀内 途中で治療を諦めさせちゃうかもしれないけど(笑)
高林 AGA治療のクリニックやサロンもビジネス要素があるので。
堀内 すごくあると思います。
高山 お金を払ってもらって成り立つというのが絶対根本にあるので。
薄毛って恐怖を駆り立てられやすいジャンルだと思うんです。不安を煽れば、みんなある程度治療しようかなと思うんです。
「今、治療をやらないと大変なことになりますよ」みたいなセリフで足元を見るのはやめてほしいですね。
堀内 別に大変なことにはならないですよ。大丈夫です!
高林 そう言ってもらえると安心できるし信頼できます。発毛や育毛の業界がそういうふうになっていけばいいなと思いました。
堀内 薄毛を治したいというのは、女性にモテたいという気持ちがすごくあると思うんです。髪の量が多いから寄ってくるような女性のことは気にしなくていいんじゃないかと思います!
高山・高林 素晴らしい!(拍手)
堀内 ぜひ、自分に自信を持ってほしい。いろんな意味で。薄毛もそうだし、毛を生やすのも脱毛するのも、綺麗にするのも、なんでもそうですけど自信を持ってほしいので。
高山 間違いないです!
堀内 自信を持ったら楽しく生きられるし、みんなが自信を持っていたらお互いに優しくなれると思います。だからぜひ、このNOHAIRSさんの活動をいろんな人に広めてほしいです。
高山 この動画を見ている人はぜひ、自信を持っていろんな選択をして生きていきましょう!
今日はありがとうございました!
薄毛治療の中で提示されること全てに従わないといけないのではないかと思われるかもしれません。しかし、まずは自分自身がどこまで治療をするのか、どんなイメージに自分自身を作り上げていくのかを考える必要があるようです。
「自分で決めよう」「自信を持って」という堀内先生の力強い言葉は、
薄毛に対してどう向き合うかを決める大きなヒントとなりそうです。
文:青野まみこ / 編集構成:東ゆか