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『ハゲは強み』と受け入れれば、誰よりも輝くことができる

ハゲを強みに変えた人たちの生き様を伝えるインタビューシリーズ。

今回お話を伺ったのはこれまでのNOHAIRSの中で最年少の大学3年生・十鳥仁寛(じっとり まさひろ)さんだ。

十鳥さんは中学2年生のときに脱毛症になり、高校生のときから今までずっとスキンヘッドで過ごしている。

多感な時期に、人と見た目が違ったことをどのように乗り越え、糧にしてきたかを伺った。

サッカーをする上で、髪の毛がないことが有利になった

「中2の頃の僕に言いたいです。ハゲているだけでは誰も見ていない。ハゲが何かをすると初めて注目されるんです」

そう語ってくれた十鳥さんは現在、就職活動中の大学3年生だ。小学2年生からサッカーを始め、今では大学のサッカー部に所属している。

「中学2年生のときに脱毛症になりました。最初は円形に1ヶ所だけがハゲて、そのうち治るだろうと思っていたら段々と脱毛箇所が増えていきました。

中2の春休みが終わるぐらいには、もう隠しきれなくなってしまって、とにかく人前に出たくなくなりました。

それでも一度学校を休んだら、もう二度と行けなくなってしまうだろうと思って、休まず登校していました」

その後、学校の先生から「帽子を被ってもいいんだよ」と言われ、帽子を被って登校するようになった。

脱毛症という逃げ出したい状況の中で、帽子を被ることが心の避難場所になっていたそうだ。

サッカーの試合中にも帽子を被っていたが、監督からの一言で帽子を脱ぐことを決意した。

「監督から『お前と同じぐらいのレベルの選手だったら、髪の毛のないお前の方が絶対に目立てる』と言われたんです。

今まで嫌で仕方なかった自分の頭でしたが、『もしかしたらこれは強みになるのかも』と思って帽子を脱いでプレーすることにしました」

公式戦の度に、その監督は審判団に頭を下げ、十鳥さんが帽子を被ってプレーしなければならない事情を説明してくれていた。

そんな監督に対して、ずっと申し訳ない気持ちもあったという。

「初めて帽子を脱いでプレーした日はよく晴れていて、しっかり日焼けをしてその日のうちに頭皮が真っ赤になって皮が剥けました。

帽子を脱いだことで久しぶりにヘディングができたり、自由に動けたりしたので、帽子を脱いだのは正解でした。

監督もそれを見越していたんだと思います」

まわりは自分が思っているほど気にしていない

自分の頭は強みになる。

そう励まされた十鳥さんは、高校生になると2cmほど生えていた髪をスキンヘッドにし、帽子を被らずに登校するようになった。

「ちょっとだけ生えている毛が、格好悪い気がして剃りました。

頭のことをいじられたり、気を使われたりするのが嫌だったので『こいつは気を使わなくても大丈夫なやつだ』と思ってもらえるように、明るく振る舞っていました。

その甲斐あって、周りも気にせずに接してくれたので、高校生活はとても楽しかったです。

大学に入ってからも、特に誰も頭のことについては聞いてこないし、自分から話さないといけないような状況にもなりませんでした」

学生でスキンヘッドだとモテない。でも・・・。

すっかりこのインタビューシリーズの定番となったスキンヘッドと『モテ』について。学生の十鳥さんからはシビアな意見が聞かれた。

「学生のうちはスキンヘッドはモテないと思うんです。

薄毛やスキンヘッドの人が同年代にいないからでしょうね。

若いうちは髪の毛がふさふさで、毎日ワックスでセットしてお洒落にしているのが普通だとみんな思っていると思います。

だから学生のうちは恋愛対象になりにくいのではないでしょうか。

でも、友人を作る場面では有利だと思うことの方が多いです。

スキンヘッドというだけで目立つので、顔も覚えてもらえるし、僕はそれをキャラとして確立することができました」

ハゲているだけじゃ誰も見ていない

最近、十鳥さんは年上の人たちに、自分がスキンヘッドになった経緯を話す機会があるそうだ。

「スキンヘッドにしている理由よりも、僕自身がどんな人間かを問われているような気がしています。

表面的なことは意外と見られていないんです。

その上で、やっぱりハゲていることは強みになると思うんですよね。

中学生の頃に監督に言われた『ハゲているから強みになる』というのが僕にとっての金言です。

中2の頃の自分に言いたいのは、ハゲているだけじゃ多分誰も見ていないということ。

僕の場合はサッカーでしたが、ハゲている人が何かをするから初めてそこで認識されるし、しかも普通の人よりも認識されやすくなるんです。

そういう自信が、一生をかけて取り組みたいことが見つかったときに、初めて強みになるんだろうと思っています。

僕はまだそういうものを模索していますが、かつての僕と同じように頭髪のことで悩んでいる方々にも、夢中になれるものを見つけていただければと思っています」

就職活動が始まった。

「髪型のことで就活に不安はないか」と尋ねると、今までインタビューしてきたNOHAIRSと同様に、力強い答えが返ってきた。

「スキンヘッドを受け入れてくれる企業はきっとあると思います。

スキンヘッドを拒んでいる企業に就職しても、きっと楽しくないと思うので、僕のこの頭を受け入れてくれる企業に行きたいと思っています。

だからあまり不安はありません」

脱毛症になることも、不本意に髪を失うことも不幸だ。

しかしそれを強みと捉え「あとは夢中にれることを探すだけ」と話す彼の姿は初々しく、希望にあふれていた。

モデル:十鳥仁寛 大学3年生 / 撮影:長谷川さや / インタビュー:高山 / 編集構成:東ゆか

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