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No.1のハゲになった理由

「ハゲ会」

一度聴いたら忘れられないインパクト大のサークルで会長を務めているのが今回のモデル、べっちさん。
全国のハゲが集うコンテスト、「ハゲコン」で初代グランプリを取った彼から、男の流儀を教えてもらった。

 

—NOHAIRはいつからですか?


18歳の時です。円形脱毛症で髪の毛がなくなりました。3年くらいは病院にも通っていました。


当時インターネットもなく、周りに自分と同じ境遇の人がいることもわからなかった。
とても悩みましたし、一生懸命隠していました。

最近、漫画家のやまもとありささん(『おんな薄毛道』の著者)がこのハゲ会を見つけて参加してくだったんです。

そのときに「当事者の会」という存在を教えてくれたので参加してみました。

その子たちに聞いたら、僕のように18歳で症状が出たのは遅い方で、もっと小さなころに発症している人が沢山いるんだと知りましたね。

医師のアドバイスを聞ける「患者会」というものもあるみたいです。

すごく心強い会ですよね。当時の僕が知っていたらなと羨ましくなりました。

 

 

—そもそも、ハゲ会ってなんですか?

 

僕はギタリストでもあるのですが、バンド界隈の「ドラム会」「ベース会」といった同じ境遇の人が集まる会を参考に立ち上げたのが始まりです。

来るもの拒まずのスタイルで、「自分はハゲだ」と思った人ならだれでも参加可能。

2時間飲み会でハゲのことだけ語り合ったりもします。

以前ハゲ会を開いていた時に、僕たちが大爆笑でハゲを語っている隣の席にいた、これまたハゲの方が声をかけてくださって、
よくよく見たらお笑い芸人のプリンプリンの田中さんだったことがありました。その後何回かハゲ会に参加してくださいましたよ。

いまや女性メンバーも加入。

帽子を取ることに抵抗があり、ここならなにか変われるのではないかと加入してくるメンバーもいます。

もちろん帽子を脱ぐタイミングはいつでもいい。どんな人でもウェルカムで何でも話せるサークルにしています。

 

—ハゲ会を立ち上げる前と後で変わったことはありましたか?

 

いろいろな立場の人のことを考えるようになりました。

参加していてもハゲを気にしている人もいっぱいいるので、考え方を押し付けないようにしたい。

「お前も剃れ」「お前も帽子を取れ」という雰囲気を作らないようにするのと同時に、剃ったらすごいとか、毛が薄いほど偉いとか、そういう変な優劣がつかないように心がけています。


どうしてもエンタメによりがちな「ハゲ会」というワードをどこの領域に寄せていくのかは1年やりながら探っていました。

僕はそもそも脱毛症で毛がなくなっているので、脱毛症の人たちや、病気で髪の毛を失った人たちとも交流を持ちたいなとも思っています。

おかげさまで最近、脱毛症等経験者の知り合いも増えてきました。

ハゲ会のビジョンはハゲの音楽フェス、「ハゲフェス」を開くこと。

 

 

 

—以前、仕事がデキる友人が言っていた、「ライブでお客さんが全員つるつるだったら面白い。」と言っていたのを思い出した。

彼の言う面白いは興味深いの意だというのは真剣な顔からすぐにわかった。

確かに、これほどにも圧巻な集団になりうる個性は他にあるのだろうか。
その光景を見るためにも、NOHAIRSとしてハゲフェスの開催に向けて全力で尽力していきたい。

 



モデル:べっち ギタリスト  / カメラマン:長谷川さや  / インタビュアー:ぬかたちひろ


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